元プランナーが語る!感動したサプライズBest3

2014/01/21

結婚式でうれしいサプライズイメージ

私はこれまで、150組以上のカップルの結婚式をお手伝いさせていただきました。それぞれのドラマがあり、それぞれのオリジナリティがあり、どれも素敵なお式でした。その中で、最も心に残っているサプライズのお話をさせていただきたいと思います。

第三位 新郎はゴスペルシンガー!?

自称、色黒で濃い顔だという新郎。新婦や仲間内からも日本人っぽくない奴だとネタにされるくらいでした。彼は、そんなことをコンプレックスにするどころか、逆手に取った面白いサプライズを計画したのです。

それは、楽しいことが大好きだという新婦のために、ちょっと高額だけれどゴスペルシンガーの生ライブを披露宴でプレゼントしたいとのことでした。しかも、ただやるだけではつまらないので、ゴスペルシンガーと自分が入れ替わって登場するのだと。

この披露宴の舞台となる会場には、入場口が階段上と下の二箇所あり、新婦が上から登場し、新郎が下から登場するというのが人気の演出でした。この、別々にスタンバイするというのを利用して、自分の代わりにゴスペルシンガーを登場させようというのが、新郎の計画です。

そして当日。何も知らない新婦は、お色直しのあとカラードレスで会場に出て、新郎の出てくる扉を見つめました。予定していた曲とは違う、beauty&the beastが流れ、それに乗せて生の歌声と共に、黒人ゴスペルシンガーが出てきたときの新婦の顔は、驚きそのものでしたが、すぐに大爆笑に変わりました。

ゴスペル

その後の生ライブにも新婦は一番ノリノリで、ゲストの先頭に立って踊りながら盛り上げ役となっていました。『宏紀はこんなに黒くはないよー笑!でも、超楽しかった!』と新婦が言ってくれ、大成功のサプライズとなったのでした。

第二位 新婦の人生を巡る旅

『私のおばあちゃんは、ボケちゃってて、結婚式には出れないの』
新婦が言ったその一言が、新郎はずっと気になっていました。彼女は笑いとばしていましたが、その表情はどこか悲しく見えたからです。
彼女の祖母は認知症を患っていて、地元の福岡で施設に入っているとのことでした。『結婚式に来れないなら、こちらから会いに行けばいい!』そう思った新郎は、ビデオカメラを手になんと福岡の久留米まで飛んで行ったのです。

飛行機

慣れない土地、しかもどこの施設にいるのかもわからなかったので、新婦の父にも協力をあおぎ、なんとか祖母がいる施設を訪ねておばあちゃんの映像を撮ることができました。

しかし、残念ながらおばあちゃんは息子である新婦の父のこともわからない状態でしたので、孫のことも当然理解はしていませんでした。でも、『××ちゃんと結婚できて、うれしいでしょ』と微笑んでいました。

そしてここからがこのサプライズの更にすごいところ。せっかく地元に来たので…と、彼女の通った保育園、小学校、中学校と、当時の家まで全て思い出の地を撮影して巡ったのです。転勤族であった彼女の一家は、高校からは千葉へと引越してきたので、その高校にも足を運びました。

今は廃校となった旧校舎に、許可をもらって入って撮影した映像が流れたときには、友人たちからも『わあー!懐かしいー!』と歓声が上がります。もちろん、その後の通った大学や就職先も巡り、当時の仲間からお祝いコメントなどもちゃっかりゲットしていたのです。

このサプライズにかかった新郎の労力は、私が見てきた中でも過去最高でした。新婦のためにこれだけできるのだ、という愛情をヒシヒシと感じたので、文句なしの第二位に選ばせていただきます。

第一位 予想もしなかった花束

披露宴も終盤の、新郎謝辞のときのこと。突然新郎が新婦に向き直り、『これから一生幸せにします。俺について来て下さい。』と花束を渡しました。

…それだけ?これが第一位?と思いましたか?

そう、たったそれだけのことでしたが、それを受け取った新婦は涙が止まりませんでした。なぜならこの新郎は、新婦はもちろん周りの友人や家族も太鼓判を押すほどの、『そういうことをしそうにない男』だったからです。キャラじゃない、というやつです。

私が最初彼にこういった類のサプライズを提案したときにも『は?なんで俺がそんなことしなきゃならないの?絶対嫌だ。』の一点張りでした。私も、『この新郎さんにはこれ以上言っても無理だろうな』と感じたので、それ以降はサプライズについては何も触れませんでした。

しかし、それから彼なりに考えていたのでしょう。何度か打ち合わせを重ね、最終確認を終えてから数日後、突然その新郎さんから電話をいただきました。『追加注文いいですか。紗英には内緒で、赤のバラの花束を用意して下さい。』

私はとても驚きました。しかしその決意がとても嬉しかったので、その追加注文は料金を頂戴しないことにさせていただきました。彼がチョイスした赤色というのは、新婦が着るカラードレスと同じ、新婦の大好きな色でした。

花束

そうして、キャラじゃない彼が精一杯した決意表明は、ぎこちないながらも彼女の心にもずっしりと響いたようでした。驚きと涙以上に、彼女の表情はとても幸せに満ち溢れていました。

結婚式とはそれだけ特別な舞台です。普段できないことも出来たり、普段しそうにないことも許される、そんな数少ないチャンスです。この日を逃したら、二度とそんなことはできない、あの新郎さんもそれに気付いたから、頑張ったのではないでしょうか。

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